ドローン空撮の活用事例。観光地の魅力を空からアプローチ
ドローン空撮は現在、企業ブランディングや観光地PR活動、測量などの幅広い分野で活用されています。特に、観光地の認知拡大や、プロモーション法の1つとしてドローンは活躍。
なかには、ドローンを利用した地域活性化や、観光地PR映像を利用した取り組みを行いたいと思っている方もいるのではないでしょうか。しかし、ドローンに関する基礎情報や、事例などを把握しないと、思ったような取り組みを行うことは難しいでしょう。
今回は、ドローンを活用した、ユニークな地域活性化関連の取り組み事例を解説します。ぜひ、地元企業や地域のイベントを盛り上げるための参考にして、魅力的な観光地づくりを目指していきましょう。
ドローンが地域活性化で観光地に活用される理由
ドローンは、観光地プロモーション映像や、企業ブランディングの1つとして、さまざまな場面で活用されています。
しかし、無闇にドローン活用を導入しても、思い通りの効果は得られません。ドローン映像制作を検討する場合は、明確な目的を持ったうえで取り組みましょう。
また、ITメディア運営を行っているインプレイス総合研究所の調査によると、ドローン市場は2030年までに約1兆円規模にまで成長することが示唆されています。https://research.impress.co.jp/report/list/drone/501642
裏を返せば、それほどまでに「ドローンを活用した事例が増えている」とも考えられます。
空撮による圧倒的な映像を届けられる
ドローンが注目・活用される大きな理由の1つが、「圧倒的な映像」を活用できる点です。
従来の観光地PR映像では、人力撮影のハンドカメラでの映像を利用することが一般的でした。人の目線の高さから撮影されるような、臨場感のある映像が撮れる一方で、目新しいシーンを撮ることは難しいとされてきました。
しかし、ドローンによる空撮映像を取り入れることにより、人力では不可能だった圧倒的な上空からの映像を収めることができるようになったのです。このドローンの空撮活用により、地元の人ですら知らなかった「新たな地域資源・観光資源」を地域内外に発信できるようになります。
ブランディング・イメージアップ戦略
ドローンによる空撮は、観光地や自然環境を多角的、かつ独自の視点から撮影きるため、各地域に適したブランディングやイメージアップ効果が期待できます。
このような視点は、従来の手法では難しく、地域の隠れた魅力や資源を発見し、それを効果的にPRする手段として、多くの地域が取り入れることが可能。また、ドローン映像は、地域の人々にも新しい発見や、誇りを与えることもしばしばあります。
これが地域コミュニティの活性化につながり、地域ブランドの向上にも寄与するといえるでしょう。総合的に見るとドローンの活用は、観光地としてのの魅力を多角的撮影したり、効果的にブランディング・イメージアップさせたり、さまざまな地域で取り入れられています。
メディアやSNSなどのさまざまな媒体で情報発信できる
ドローンが広く活用される理由の1つは「ドローン映像が、メディアやSNSで手軽に共有・拡散される」点です。
従来の人力撮影では難しい視点からの映像が撮れるほか、ドローン映像は注目度も高く、短期間でSNSやネットに拡散する可能性があります。
例えば、美しい観光地の景色をSNSで発信すると、その地域への興味や認知度が急激に高まる可能性も。また、企業が新イベントやサービスのプロモーションにドローンを使用すると「革新性や創造性が高く評価される」こともあるでしょう。結果として、顧客エンゲージメントが向上します。
また、このような映像はYouTubeやニュースメディアでも容易にピックアップされ、さらなる広範な視聴者に届く可能性が広がります。短い時間と少ない投資で、大きなインパクトを生むことができるこの特性は、ドローンが多くの分野で積極的に活用される大きな要因です。
ターゲット顧客の印象に残る映像を作ることができれば、SNSで話題となり、観光地のイメージアップにつながるため、よい循環を生み出すことができるでしょう。
ドローン映像による観光地PRの事例
日本観光政府の発表によると、2023年以降はインバウンド需要がコロナ前にまで回復する可能性があると発表。
参考:日本政府観光局
ドローン空撮によるPR映像は、地域活性化やブランディングとの相性のいいため、さまざまな取り組みが行われています。
ドローン映像を活用し観光地の魅力発信は、「単なる空撮映像を活用したプロモーション」ではなく、地域のブランディングに革命をもたらす取り組み。一流の映像力を駆使して、未知の美しさや、特色を全世界にアピールすることが可能です。
観光地の新たな魅力発信をご検討の自治体や団体様は、ぜひドローンの活用をご検討ください。
以下では、2023年6月26日~28日まで行われた「第2回エアモビリティEXPO2023」で、ドローンを使って撮影した地方自治体・団体の観光地PR映像を紹介します。
事例1:公益財団法人 北海道観光振興機構
公益財団法人北海道観光振興機構では、北海道全土の観光地を、ドローン空撮で「観る人の五感に訴えかけるような」幻想的な風景を撮影しています。
グルメ映像や人物映像などを一切、写すことなく、北海道斜里町の「天に続く道」を車で旅行するシーンや、流氷クルージングのシーンなどが万歳。春夏秋冬を通じた、北海道のすべての魅力を、ドローン空撮でプロモーションした事例です。
「北海道に行ってみたい!」と思わせるようなドローン映像は、ただの観光プロモーション以上に、地域ブランディングと地域活性化に寄与するものです。
<特徴>
- グルメや人物などの身近な被写体を一切、登場させないため非日常感が高い
- 景勝地のみを映像に残しているため「圧倒的」なシーンとして覚えてもらえやすい
- 雄大な自然を有する北海道の強みを「ドローン空撮」で最大限に引き出せている
事例2:秋田県
秋田県観光情報ホームページでは、1Dayプランで楽しめる秋田県中の観光地を巡る姿をPRしたプロジェクトです。
映像は、秋田県を代表する田沢湖のドローン空撮シーンからスタート。一流コスメブランドのCMのような、ハイクオリティな映像から始まる出だしが印象的です。この映像の主人公はモデルである2人の女性。前半から中盤にかけては、秋田県内の物産店、着物レンタル、温泉、景勝地、アウトドアアクティビティなどの映像を撮影。
終盤にかけては、視聴者の胸の高まりを後押しするように再び、ドローンで迫力のある大自然を写しています。終始、秋田県の魅力が視聴者に伝わるようなストーリー性も魅力的。
DEEP JAPANというタイトルのように、深く秋田県をプロモーションできている事例になります。
<特徴>
- スタート直後から流れる「田沢湖の圧倒的な映像美」が印象的
- 観光客視点で撮影されているシーンが多いので現地の温度感が分かる
- 「湖から始まり海で終わる」ストーリー性が面白い
事例3:公益財団法人富山コンペンションビューロー
インバウンド需要向けの映像として、外国人モデルを複数人ほど起用して富山県全域の観光地を撮影した映像です。
冬の立山の風景から始まり、歴史的文化、現代美術館、伝統工芸、桜並木などの、四季折々のシーンを記録。映像の途中途中で登場する、富山県観光を楽しむ外国人の姿が印象的です。
また、映像中には数多くのドローン映像を起用。表情豊かな富山の四季を、さまざまな角度からドローンで撮影しています。後半にかけての盛り上がりに拍車をかけるように構成された、効果音、BGM、映像の緩急などは、思わず見入ってしまうような仕上がり。
効果的に映像宣伝することで、インバウンド需要にもアプローチできることを教えてくれる事例です。
<特徴>
- インバウンド向けの映像であることを分かりやすくするための外国人モデルの起用
- 後半にかけての盛り上がるように考えられているストーリー性や音響
- 四季折々、自然と街、歴史などの多要素が盛り込まれたPR映像
事例4:長野県
出典:長野県
長野県の公式観光映像であり、一般社団法人長野県観光機構が管理する春の風景をドローンで撮影したPR映像です。
長野県内で有名な、さまざまな春の景勝地を、普段は目にすることのない「上空」という角度から多角的に撮影。森将軍塚古墳での夜明け、飯山市の菜の花公園、月川温泉郷の花桃の風景などドローンで空撮しています。
また、松本城による日本の伝統と地域性を優雅に体現したシーンや、小学生が自然の中を登校する姿は、長野の地域社会と自然環境の調和を象徴。「訪れたい」に留まらず「移住したい」とも思わせる地域ブランディング・観光振興プロモーションです。
春の長野県の多様な美しさを広く伝え、観光客や地域住民に、その魅力を再発見してもらいながら地域活性化につなげている参考事例となっています。
<特徴>
- 季節を限定した映像
- ドローン空撮をふんだんに活用した上空映像が印象的
- 春の訪れを感じさせる「アップテンポなBGM」で楽しく観れる
事例5:岐阜県
参照:岐阜県
インバウンド需要に向けて撮影した岐阜県のプロモーション映像です。
映像内では、外国人モデルが登場。さらに、英語によるナレーションが流れたり、英語字幕が表示されたり、ターゲットを完全に外国人に設定した内容にしています。
岐阜の山々、神社、伝統の地歌舞伎、郷土料理、伝統漁業、祭事、アウトドアアクティビティ、山岳信仰、田舎道などの「日本らしさ溢れる日常のワンシーン」を凝縮。約1分間の作品ながら、ドローン空撮によるエンディングで、最大限に岐阜県の魅力をPRした映像に仕上げています。
<特徴>
- 外国人をターゲットにした映像制作
- 短編映像により「魅力的な岐阜県の姿」を凝縮している
- 終始、映像の中に「日本らしさ」が散りばめられている
事例6:和歌山市友ヶ島
出典:和歌山市
のどかなBGMとともにスタートする、友ヶ島と呼ばれる無人島のドローン空撮映像です。
歴史ある「友ヶ島」は、和歌山市と淡路島の中間地点に位置しており、和歌山市公式YouTubeチャンネルや関連媒体で映像公開しています。第2次世界大戦が終わるまでは、要衝として大阪湾を守っていた要的な存在。
現在は、レンガ造りの砲台跡と豊かな自然が融合した独自の風景がひろがっており、休日には観光客が訪れる人気のスポットとして知られています。10分を超える長編映像になっていますが、終始ドローン空撮で「島全体の魅力」をPRしている映像です。
細かな作り込みをすることなく、「自然体で地域の魅力を伝えたい」と考えている場合に参考になる事例となっています。
<特徴>
- 友ヶ島という無人島にフォーカスを当てたPR映像
- 終始、ドローンによる空撮映像で構成されている
- 10分を超える長編映像のため、多くの情報を届けることが可能
事例7:静岡県自然保護課 くらし・環境部環境局
出典:静岡県自然保護課 くらし・環境部環境局 自然保護課 南アルプス保全班
「山に登りたくなる動画」という名前の、静岡県自然保護課によるドローン空撮を活用した地域活性化・ブランディング映像です。
茶臼岳、白嶺、聖岳、荒川三山、紅葉シーン、花畑などの、さまざまな「南アルプス南部」の高山風景を、ドローンを効果的に活用。映像を観た後に、南アルプスを訪れたくなるような構成になっています。
ドローン空撮やタイムラプスなどの撮影技法を、魅力的に組み合わせることにより、グリーンシーズンの南アルプスをPRできるように仕上げた映像です。
<特徴>
- 南アルプスの各名所で、魅力的に映るように効果的にドローンが活用されている
- 高山地帯で空撮をすることにより、さらに大きな迫力の映像に仕上げている
- 山岳、山野、野鳥、沢などの複数の被写体を映すことで見どころを目立たせている
事例8:南伊勢町観光協会
⭕️出典:南伊勢町観光協会
「What is there ”そこにあるもの”」は、南伊勢町観光協会が制作した地域のブランディング映像です。ストーリーは、「海を撮りに訪れたカメラ女子。この地に魅了された彼女が見つけた、ここにしかない、唯一の魅力。」という内容。
ダイナミックなBGMと一緒に、さまざまな南伊勢町の人気観光地のドローン映像に切り替わる、スピード感に溢れる構成です。1人の女性主人公の目線で、市場、展望台、漁港夜景、農漁業シーン、南伊勢の自然、祭事、地元住民との触れ合いなどが描かれています。
約3分ほどにまとめられた南伊勢町の魅力と、アップテンポなBGMの映像を観た後には、南伊勢町に行ってみたいと思わせるような、PR映像として理想的な仕上がりです。
<特徴>
- アップテンポなBGMと撮影シーンの組み合わせでスムーズに見れる
- さまざまな特産品や観光地の描写が「行きたい・食べたい」に訴求している
- 地元住民を多く映すことで「その地域の温かみ」を表現
事例9:公益財団法人岡山県観光連盟
「おかやま日本遺産訪問〜7つのストーリーを巡る旅〜」というキャッチーなフレーズで、シャープなBGMとともに岡山の各観光地をプロモーションした映像です。
映像内では、さまざまな切り返し技法が使われており、ついつい見入ってしまう構成が印象に残る作品。自然風景や街中の風景、伝統的な観光地などが紹介されています。
切り替えシーンでも、所々にドローン空撮を上手く使用。ただ「美しい風景をドローン空撮で撮る」だけでなく、訪れた後に体験できそうなシーンも盛り込まれているため、観光客数の増加にも寄与した映像に仕上げられています。
<特徴的>
- ほぼナレーションがない構成だが、そんな中で登場するナレーションが印象的
- 場面場面の切り返し技法にこだわりが詰まっている
- 非日常的な視点から、日常的の視点まで、「体験したい」と思わせる映像
事例10:鹿児島県
出典:鹿児島県
鹿児島県PR観光課で制作された、ドローン空撮を全面的に活用して鹿児島県の魅力をPRするための映像です。
鹿児島県が世界に誇る美しい海の空撮シーンから始まり、さまざまなエリアでの海水浴シーンや、サーフィン、サップ、海水浴場の映像などが流れるように収められています。鹿児島県の海の美しさを、上空からドローンで撮影することにより、その美しさを俯瞰しながら見れるため、観光客の「旅行したい欲」をくすぐる魅力あふれるPR映像です。
<特徴>
- 海にフォーカスを絞って構成されている映像
- 各海辺に切り替わるシーンでは、ドローン空撮が使われているので印象的に映る
- 海水浴を楽しんでいる観光客を映すことで、視聴者に当事者意識を与えている
emo planningでは群馬県玉村町の2023年花火大会の様子をドローン撮影しました
群馬県を拠点に活動しているemoplanningでは、2023年に群馬県玉村町の花火大会の様子をドローンで撮影しました。
事前のヒアリングから、現地視察、映像構成、飛行許可手続き、映像編集・制作、映像制作後の運用まで、一気通貫で行った事例です。
広々とした田園風景のなかでで行われた花火大会が、より広大に、幻想的に映るような撮影方法・制作方法を意識したプロジェクトです。「観光地の魅力を最大限にドローンに収めたい」などのご要望も、可能な限りお応えいたしますので、ぜひお任せください。