ブランディングの手法とは?クリニックにおすすめのフレームワークを解説

経営しているクリニックへの集患を目的にブランディングを少しずつ進めていく予定だけれど、どんな手法を用いればよいかわからず困っている人はいませんか?
この記事では、クリニックにおすすめのブランディング手法を詳しくご紹介します。
ブランディングに使えるフレームワークとは?
ブランディングを進める際に使えるフレームワークを5つご紹介します。
STP分析
STP分析とは、「誰に」「どんな価値を」「どうやって伝えるか」を整理し、選ばれるブランドを作るためのフレームワークです。
STP分析は以下の3つの要素から構成されています。
要素 | 概要 | 目的 |
セグメンテーション(Segmentation) | 市場内にいる顧客をカテゴリ別にグループ分けする | 地域・年齢・性別などで患者層を分類する |
ターゲティング(Targeting) | どのグループ向けに商品やサービスを発信するかを決める | 誰に来院してほしいかを明確にする |
ポジショニング(Positioning) | どのように差別化された立場から発信するかを決める | クリニックならではの価値を伝える |
STP分析においては、上記のポジショニングがブランディングの本体になります。
ただしマーケティング戦略を考える場合にはセグメンテーション=市場の分類、ターゲティング=ペルソナ設定、ポジショニング=自社の立ち位置の決定と考え、全体をブランディングと捉える場合もあるのを覚えておきましょう。
クリニックのブランディングでSTP分析を活用するメリットは以下の通りです。
- セグメンテーションで地域の患者層を見える化できる
- ターゲットとなる患者層に集中して集患できる
- 競合との違いを言語化できる
STP分析は地域で集中的にブランディングをしたいクリニックにとって、効果的なブランディング手法です。
3C分析
3C分析とは、顧客に選ばれるための「強み」「ニーズ」「差別化」を整理するためのフレームワークです。
3Cには以下の要素が含まれます。
要素 | 分析内容 |
Company(自社) | ・自社の強みと弱み ・自社の評価 |
Customer(顧客および市場) | ・ターゲット顧客は誰か ・顧客のニーズの内容 |
Competitor(競合他社) | ・競合他社のシェア ・競合他社の強みと弱み ・競合他社の評価 |
Company分析では、クリニックならではの強みや価値観=ブランドの「中身」を明確にできます。
一方Customer・Competitor分析では、それを誰に・どう伝えるか=「届け方」を考えることができるでしょう。
クリニックのブランディングで3C分析を活用するメリットは以下の通りです。
- クリニックの強みを明確にできる
- 顧客となる患者さんのニーズがわかる
- 競合するクリニックとの違いが言語化できる
3C分析は、クリニックの強みを活かして「選ばれる理由」を明確にしたいときに役立つブランディング手法です。
CBBEモデル
CBBEモデルとはブランドを階段のように段階的に育てていく考え方で、患者さんに信頼され、思い出されるクリニックを目指すためのフレームワークです。
項目 | 概要 |
① ブランド認知(Brand Salience) | 名前を知ってもらう |
② ブランドの意味(Brand Meaning) | どのようなイメージがあるか |
③ ブランドの反応(Brand Response) | どのような評価・印象を持たれているか |
④ ブランド共感(Brand Resonance) | ファン・リピーターが生まれているか |
①~④までを順番に構築することで、顧客に信頼され誰かに勧めたいと思ってもらえるブランドになります。
CBBEモデルをクリニックのブランディングで用いるメリットは次の通りです。
- 認知だけで終わらずクリニックのファン作りができる
- ブランディングの過程でどこでつまずいているかが可視化できる
- ステップ別に戦略を考えられる
CBBEモデルは、患者さんが「知っているクリニック」から「信頼して通いたいクリニック」へと変わりたい時に役立つブランディング手法です。
SWOT分析
SWOT分析とは、クリニックの強みや外部環境を分析し、どのような価値を打ち出せば顧客に選ばれるのかを考えるための分析手法です。
具体的な内容は以下の通りです。
項目 | 概要 |
強み(Strength) | 商品やサービスに好影響を与えることができる、自社における資源や特徴(内部環境) |
弱み(Weakness) | 商品やサービスに好ましくない影響を与えてしまう、自社における資源や特徴(内部環境) |
機会(Opportunity) | 商品やサービスに好影響を与えることができる、自社以外における資源や特徴(外部環境) |
脅威(Threat) | 商品やサービスに好ましくない影響を与えてしまう、自社以外における資源や特徴(外部環境) |
SWOT分析をクリニックのブランディングで使うメリットは次の通りです。
- 選ばれる強みを整理して言語化できる(患者に「ここが良い」と伝わる)
- 弱みをブランドの工夫に変えられる(弱点が魅力に変わる)
- 外部環境に合わせた差別化ポイントが見つかる(地域のニーズに応える戦略が立てられる)
弱みはどのブランドにもありますが、例えば駅から遠いクリニックの場合患者さんに「駐車場完備」といった伝え方をすると弱みを逆にメリットとして捉えてもらえるでしょう。
SWOT分析は、クリニックの持つ魅力と外部のニーズをかけ合わせて、どのようなクリニックとして患者さんに選ばれるかを言語化できるブランディング手法です。
バリュープロポジションキャンバス
バリュープロポジションキャンバスとは、顧客が本当に求めていることと自社で提供できるバリュー(価値)のずれをなくすためのフレームワークです。
具体的な内容は次の通りです。
顧客セグメント(Customer Segment) | 顧客への提供価値(Value Proposition) |
顧客の仕事(Customer Jobs) 顧客が達成したいこと | 製品・サービス(Products & Services) 提供しているメニューや設備 |
顧客の痛み(Pains) 不安・不満・困りごと | ペイン解消(Pain Relievers) 不安を減らす工夫 |
顧客の利益(Gains) 理想の未来・うれしいこと | ゲイン実現(Gain Creators) 理想を叶える価値 |
バリュープロポジションキャンバスをクリニックのブランディングに使うメリットは以下の通りです。
- 患者さんの潜在ニーズが見える化できる
- 提供しているサービスとニーズがずれていないか確認できる
- 言語化して発信することで「選ばれる理由」を作れる
バリュープロポジションキャンバスは、患者視点に寄り添うブランディングをしたいクリニックにおすすめです。
ブランディングのクリニックにおける成功事例
ブランディングのクリニックにおける成功事例を3つご紹介します。
脳神経外科内科様開院プロジェクト

画像出典:emo planning「脳神経外科内科様開院プロジェクト」
弊社では群馬県前橋市の脳神経外科内科さまの開院時に、ブランディング、ホームページ制作を担当させていただきました。
開院の約6か月前からプロジェクトを開始し、ブランドの方針に基づいたロゴの作成計画、看板作成の計画、開院告知の広告物の計画を行いました。
ブランドの方針をしっかりと定めたことで、制作物の内容にぶれが生じず統一感のあるデザインに仕上がりました。
脳神経外科内科様開院プロジェクト | 群馬県玉村町の合同会社emo planning
内科クリニック

画像出典:emo planning 制作実績「内科クリニック様」
群馬県高崎市の内科クリニックさまの開院時に、ブランディング、ホームページ制作、Webマーケティングを担当させていただきました。
ロゴ、開院告知チラシ、院内外の看板デザイン、ロードサインの企画、ホームページなど制作物が多岐に渡りましたが、あらかじめブランドの方針を定めておいたことから一貫性のある発信ができました。
内覧会にも予想より多くのお客様にご来場いただいた好事例です。
内科クリニック様 | 群馬県玉村町の合同会社emo planning
下肢静脈瘤クリニック

画像出典:emo planning「制作実績 下肢静脈瘤クリニック様」
埼玉県川口市の下肢静脈瘤クリニックさまの開院時のブランディング、販促広告を担当させていただきました。
症状が現れる患者さまが高齢者や女性が多いことから、Web媒体だけではなく地域のフリーペーパー、駅看板など複数の媒体を使用したのですが、ブランドの方針に沿ったデザインとしたため統一感のある発信となりました。
下肢静脈瘤クリニック様 | 群馬県玉村町の合同会社emo planning
成果にこだわったブランディングをご希望の方はemo planningにご相談ください
前の項目でご紹介した通り、成果が上がるブランディングと販促活動をご希望のクリニックさまはemo planningにご相談ください。
Web広告、SEO対策、SNSマーケティングなど行うマーケティングの手法や、発信するプラットフォームが多岐に渡ってもブランディングをすることで一貫性のある発信を続けられます。
興味のある方は次のページもごらんください。
ブランドを確立するブランディング | 群馬県玉村町の合同会社emo planning
まとめ
ブランディングに使える手法は多数ありますが、自分のクリニックに合ったフレームワークを用いることでより効果的に集患につなげられるでしょう。
この記事も参考にして、ぜひ積極的にブランディングに取り組んでみてください。